入門編としては上々ではないかと
新書の歴史書として読むと資料に耐えないと言うことになるが、
イギリス王室史の入門編として読むのには充分ではないだろうか?。
編年体で書かれた歴史書など、初心者にとってはしんどいだけだが、
良くも悪くも個性的な国王達を紹介していく本書は読み物として
素直に面白い。
そもそも「下世話なネタが大好き」なイギリス国民にとっての
国王ってこんな感じ、と言うものを理解するのに本書はもってこい
だと思いますが。
軽妙タッチで描く王様たちのエピソード
我々日本人にとっても比較的馴染の深い国、イギリスの王室の歴史をコンパクトにまとめたものです。とはいえ、一千年の歴史をダラダラ概説するのではなく、史上名高い幾人かの王様にご登場願い、それぞれの個性に注目したエピソードを紹介していくといった趣向です。 この本、それぞれの王様が英国の発展に及ぼした影響、といった点には殆ど重きを置いていないので、英国史を学ぶつもりで読むとハグラカシを喰うことになるかもしれません。 寧ろ本書は、そもそもイギリスの王様とは一体ナニモノなのか、なんでイギリスの人たちはいまだに王制に愛着を抱いているのか、といったことをカジュアルに考える際などに参考にすべきような本です。 内容的には些か俗に過ぎるようにも思われますが、著者の語り口も軽妙洒脱で、気軽に読める楽しい本です。英国史のプレ入門書としても悪くないかも知れませんね。
気軽に読めるイギリス王室の本
著者は別に歴史家ではないし、そもそも数名の王/女王を選択して新書 に収めること自体に多少の無理がある。しかしそこは著者自身が最も よく承知していることであって、前書きや後書きで筆者は必死に弁明 していることからもそれがうかがえる。 本書は、日本人にとっては、身近なようでいてアメリカ傾倒のためか 遠い場所でもあるイギリスの王/女王のなかから、特徴的な人物を数人 選んで、紹介するものである。文体は話し言葉に近く、すいすい読める。 この本の特徴は、スキャンダラスな側面を多く描写しているということ である。ゲイだったとか、金遣いがものすごかったとか、女遊びばかり していたとか、そういったゴシップ的な物語である。もちろんそういった 面は、君主たちの一側面に過ぎないけれども、個性的な王たちと民衆の 支持との関連性はそれぞれで、おもしろい。放蕩息子イコール人民の 非難、とは必ずしもならないのである。 薄い新書にまとめたので、王/女王ひとりあたりのページ数が少ないの が残念。 巻末には参考図書が紹介されている。オックスフォードの王室逸話集 などは、是非チェックしてみたいと思った。
う〜ん
否定的な表現になってしまうけど 軽い内容だし、ページ数に限りもあるのか 敢えてこの手のテーマで手にとる一冊では 無いですね。
very common book
きわめて凡庸な作品。誰もが知っている有名なイギリス国王8名のお話を特に新味のない筆致で書き流しただけの本。なぜか我が国では英国王家の読み物が売れているようですが、著者が揃いも揃って無見識なところが気になります。例えば、イギリスは王国なのに、どういうわけか「皇太子」だの、「皇太后」などという奇妙な表記が頻出しているのは、一体いかなる事情からでしょうか。フランスやドイツ・オーストリア、ロシアなど他国の史家は通常かかる非常識な誤謬をおかさぬものです。イギリス史家のみ程度が低いとは考えられないのですが、何かまともな理由でもあるのでしょうか。
講談社
エリザベス一世―大英帝国の幕あけ (講談社現代新書) 英国王室史話〈上〉 (中公文庫) 英国王室史話〈下〉 (中公文庫) 薔薇の王朝 王妃たちの英国を旅する (知恵の森文庫) 大英帝国―最盛期イギリスの社会史 (講談社現代新書)
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